第2章 契
今私は女中棟から
隊士さん達の寝所(近藤さんの自室がある)棟へ続く長い長い廊下を歩いている。
(今日ここ磨き上げたんだよね…)
一生懸命に拭きあげた廊下を歩くのは気持ちが良い…
疲れててこんな時間に呼び出されてしまったけれど気分は悪くない。
詰所の方からは夜勤であろう隊士さん達の笑い声が
微かに聞こえてくる。
(真選組は24時間稼働してるんだなぁ…
しっかりサーポートしなくちゃね。)
なんてぼんやり考えていると、
廊下に面している中庭に人の気配を感じたので見て見ると
みわ
「!?」
忍びの服装をした何者かが、蹌踉めきながらこちらに向かって歩いてきていた。
みわ
「……」
(くせ者!?)
怖くて動けないでいると、
聞き覚えのある声で話しかけられた…
?
「だめ…だよ。こんな時間に……女中さんが出歩いちゃ……」
(この声は…)
私は足が汚れてしまうことも忘れて
裸足のまま縁側から中庭へ飛び出した。
みわ
「山崎さんですよね?大丈夫ですか!?」
山崎さんの元に辿り着くと
足取りが危ういので
肩を貸しながら縁側へと誘導した。
山崎
「俺の事は気にしなくて良いから、
寝所に戻りな…」
みわ
「私の心配なら無用です。
ちょうど近藤さんに呼び出されたので歩いていたんです…
それより足から血が……」
私は羽織っていたカーディガンを怪我をしている場所に強く押し付ける。
山崎
「……佐藤さん、ありがとう。」
みわ
「いえ……
あの、私、誰か呼んできますね!!」
山崎
「えっ!!ちょっ!ちょっと待って!!!」
山崎さんの側から離れようとする私の手首を思い切り掴む山崎さん。
みわ
「…?」
山崎
「駄目だって!その………そんな薄着で歩き回っちゃ……」
みわ
「…………?」
自分の服装を改めて見て見る……
みわ
「!!」