第12章 タ
自分の仕事を早々に切り上げて、
隊士さん達から頼まれたお使いに行こうと外へ出ると
外はパラパラ雪が降っていた。
みわ
「綺麗…」
……だけど寒いので、
足早に歩きだす。
すると此方に向かって、
嘔吐物まみれの何かが歩いてきた。
みわ
「?」
それは山崎さんだった。
(可哀想に……)
嘔吐物でまみれた袴が濡れて冷たいのか…
お見合いが駄目になってしまったのか……
よく分からないけれど震えながら歩いているようだ。
みわ
「………」
山崎
「!!」
そんな山崎さんも私に気付いた。
みわ
「山崎さん、大丈夫ですか?」
私は自分の着ている羽織を嘔吐物まみれの山崎さんの肩にかける
山崎
「佐藤さん…」
みわ
「風邪、ひいちゃいますよ。早く、帰って着替えて下さいね。」
私はそれだけを言うと、
山崎さんの横を通り過ぎ店へと向かって歩きだす。
山崎さんの幸せを踏みにじるような真似はしたくないから、
出来る事だけして、後は他の隊士さんと同じように接っして去った。