第12章 タ
★ジミーストーリー★
タマさんにお礼を言えたのは良かったが、
最後に爆弾を食らってしまい自爆した俺……
自分の嘔吐物まみれの袴を着たまま屯所に向って歩いてる。
ヒソヒソ…
「なあに?あの人きたない!!」
そんな心無い言葉を浴びせられながら歩く雪道は、
芯まで冷えてなんとも言えない気分だ。
そんな俺の事を…あの人は心配そうに見ていた。
(佐藤さん…)
今日の事は沖田隊長が隊士らに触れ回っていたからきっと…
いや多分、佐藤さんの耳にも届いているに違いない。
お礼を言いたかっただけなのにこんな大ごとになってしまった…
俺は何も言えず立ち尽くしていると…
みわ
「山崎さん、大丈夫ですか?」
いつも通りの癒しの声で俺を気遣ってくれる。
嬉しくて、嬉しくて、
直ぐにでもお見合いの誤解を解こうと話をしようとしたら
佐藤さんは自分の羽織を俺にかけると直ぐに何処かへ行ってしまった……
山崎
「…佐藤さん……」
初めてこんなに人を好きになったって言うのに、
どうして上手くいかないんだ。
自分のポジションとか運命を憎みながら屯所へとまた歩き出す。