第9章 君と一緒に………
まいside
二人か出掛けたあと
朝御飯の片付けをしていると
インターホンの音が鳴った…
こんな朝早くに誰だろう…?
そう思いながら濡れていた手を拭き
玄関の扉を開いた瞬間
ドアにかけた手が引き寄せられ
温かい胸に抱きしめられる…
顔をみなくても
声を聞かなくても
耳に響く胸の鼓動だけで誰だか分かる…
「なんでここに来たの…………?」
抱きしめられた腕の中で
そう小さな声で呟くと
安「終わりにしたくないからに
決まってるやんか……?
自分勝手やって言われても
どうしても俺にはまいの手が離されへん…
まいのことが好きやから………」
少し前ならば
きっと涙を流して喜んでいたはずの
その言葉も…
今は素直に喜ぶことが出来ない…
だってまた私は
夢を見ているのかもしれないから…
またこの夢から目覚めれば
私の前からいなくなるのかもしれない
そう思うと怖くて…
言葉は何も出てきてはくれなかった…