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しあわせのかたち

第8章 守られる日々


夕御飯を作り

二人の帰りを待っているものの

こんな日に限って二人とも帰りが遅く




ごろりと布団に横になり目をつぶると

いつの間にか眠ってしまって


またいつもと同じ

幸せで悲しい夢を見ていた…



夢の中で必死に伸ばした手を

誰かがそっと握りしめてくれる…



その手に引き戻されるように

ゆっくりと目を開けると


そこには私の手を優しく握りしめてくれる

渋谷さんがいて…



すばる「ただいま…

寝ながら手伸ばすほど俺の帰りが

待ち遠しかったか?

かわいいやつやな(笑)」


なんて…

私が誰に向かい手を伸ばしているのか

わかっているくせに笑ってくれる

そんな渋谷さんの優しさが温かくて…



私は握られた手を

ぎゅっと強く握り返した…



「そうですよ…待ち遠しかったんです…

二人があんまり私を甘やかすから……


もっと強くなりたいのに…

一人でも平気なぐらい…

強くなりたいのに………。」




すばる「もう何も言うな…

お前は今でも十分強いやんか………?

こんなに苦しんでんのに

俺らの前ではいつも笑ってるやんか…?

もっと甘えたらええねん…!

逆に俺はもっと

甘えてほしいぐらいなんやから(笑)


今日はもうこのまま寝よか…?

特別に俺が抱き枕になったるから(笑)」



そんな言葉と一緒に

私の布団に潜り込んできた渋谷さんは

私をぎゅっと抱きしめて目を閉じて…



「あの…これじゃ私が渋谷さんの

抱き枕じゃないですか(笑)?」


抱きしめられた腕の中で

そう文句を言った私に



すばる「細かいことはええねん!

抱き枕の役目は安心感の提供なんやから(笑)」


なんてにんまりと笑った(笑)
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