第8章 守られる日々
『まいに会いたい…………』
開いたメールに書かれていたその短い文章は
章大からのもので…
"会いたい"の一言に
胸が痛いほどに騒ぎ出すのが解る…
"私も会いたい……"
そう伝えたいけど
心配そうに私を見つめる二人の顔が
走り出しそうな感情に
ブレーキをかけるんだ…
もうこれ以上優しすぎる二人に
心配も迷惑もかけたくない……
だから私は………
"会いたい"の文字を打つ代わりに
章大から届いたメールを削除した…
これでよかったんだ…
いい加減
後ろばかり見てちゃいけないんだ
前を向かなきゃ…
そう自分に言い聞かせて
スマホをテーブルに置き深呼吸をする…
そうだ…
今日は二人のためにご飯を作ろう。
一緒にご飯を食べてビールを飲んで
たくさんくだらない話をして
たくさん怒って
たくさん笑うんだ……
今は楽しいことだけを考えていよう…