第8章 守られる日々
夜は騒がしい我が家も
二人が仕事に行ってしまうと
自分の部屋なのに
どこか静かで寂しくて
一人きりの部屋のなか
スマホの上に指を滑らせながら
章大と交わしたメールを読み返すと
なんだかほほえましくて
笑みが溢れてくる…
この時は…
こんな日がくるなんて思ってもなかったなぁ…
ただただ章大が大好きで…
まっすぐに章大だけを見ていられた…
なのにどうして今は
章大のことを思い出すだけで
こんなにも胸が苦しくなるんだろう……?
あぁ…やばい……
また泣いてしまいそうだ…………(笑)
今にも溢れだしてきそうな涙を
唇を噛み締め必死に我慢していると
手に持ったままのスマホから
メールの着信音が聞こえてくる…
唇を噛み締めたままメールを開くと
それは渋谷さんからのメールで…
『俺がおらん間にまた泣いてたら…
家帰ったらこちょこちょの刑にして
腹痛なるまで笑わすからな(笑)?』
そんな渋谷さんからのメールをみながら
一人笑いを噛み殺していると
立て続けにまたメールの着信音が鳴り響く…
またか………(笑)
なんて笑いながらメールを開くと
それは渋谷さんからのものではなくて
誰からのものかが分かった瞬間
私の心臓が
"どくり"と大きな音を立てた………