第7章 君のために出来ること
触れた唇から伝わる優しさに
弱い心は揺れてしまいそうになる…
それでもギリギリのところで私の気持ちを
踏みとどめさせるのは
いまだに痛いほど溢れだす
章大への気持ちなんだ……
「錦戸さん…
ありがとうございます…
気持ちはすごく嬉しいです…でも…私は…」
亮「"でも"…はいらんて前も言うたやろ(笑)?
今まいちゃんの心の中に
章ちゃんしかおらんのは分かってるよ?
やからゆっくりでええ…
ゆっくりでええから俺と前に進んでいこ…?
章ちゃんが過去になるまで
俺いくらでも待つから…」
私に向けられる
錦戸さんの優しすぎる笑顔は
今の私には少し眩しすぎて
私はその笑顔から目をそらし
繋がったままの手を見つめ歩き始めた…