第7章 君のために出来ること
安「それは………………」
錦戸さんの言葉に下を向く章大の後ろで
私は私を見つめていた女の子が
泣きそうな顔で章大の腕を掴んでることに
気が付いた…
そしてその手がひどく不安げに
震えていることにも…
「錦戸さん…帰りましょう…
私はもう大丈夫ですから………。
安田さん…
勝手にこんなとこまで押し掛けてきて
すいませんでした。
私…もう待つのやめますね……?
もうこれ以上は続けられそうにないから…
ここで終わりにします………。」
安「まいちゃん……………!?」
私は錦戸さんの手を引き
歩き始めた…
前を向いたまま決して振り向かずに………
もうこれ以上
泣き顔は見せたくなかったから……
そして何よりも
私のために苦しんでいる安田さんを
これ以上見たくなかったから…………