第7章 君のために出来ること
抱きしめられた腕の中
じっと動けずに立ち尽くしていると
「まい…ちゃん……………?」
そんな声が聞こえきて顔を上げると
錦戸さんに抱きしめられる私を
驚いた顔で見つめる章大と目が合う…
「安田さん………」
安「え…ここで何してんの……?
何で…………亮と……………?」
そう言って私を見つめる章大の後ろには
さっきまで章大が抱きしめていた女の子が
私をじっと見つめていた……
「あ…これは…違う………」
ふと我にかえって
抱きしめられた腕から抜け出そうとすると
そんな私の体を錦戸さんは
さらにぎゅっと力強く抱きしめてくる…
亮「じゃあ逆に聞くけど…お前は………?
お前は今何してんの………?
章ちゃんに会いたくて
必死にここまで来たまいちゃんの前で
いったい誰を抱きしめてんの…?
お前がいらんなら…
俺にくれよ…………?
こんな風に傷付けることしか出来んなら
信じろとかって言うお前の身勝手な言葉で
まいちゃんしばるんやめろや!!」
安「だから…俺は…………
………亮…頼むわ……まいちゃんのこと…
離して……抱きしめんといて………?」
亮「じゃあお前が抱きしめるんやな…?
今ここでちゃんと…
まいちゃん抱きしめてあげられるんやな…?」