第7章 君のために出来ること
"見たらあかん…"
そんな声と同時に塞がれた目に
驚いて振り返るとそこには
家で眠ってたはずの錦戸さんが立っていて…
「何でここに……いる…の…?」
亮「まいちゃんがこっそり
家抜け出すんが見えたから…
こんなことやと思ったわ………」
「そっか…心配かけて…ごめんなさい……(笑)」
そう言って笑った私を
亮「ほんまにまいちゃんはあほやな…?
怒鳴ったらええのに…
泣いて…喚いて…
章ちゃんにすがりついたらええやんか…?
黙って他の女抱きしめてる章ちゃん
見つめて泣くなよ…
あほ……………」
今にも泣き出しそうな顔で
引き寄せぎゅっと抱きしめる…
「あほ…あほ言わないで下さいよ……
ただでさえ見たくないもの見て
へこんでるのに………(笑)」
亮「何回でも言うたるわ……
まいちゃんのあほ………………(笑)」
少し強引に引き寄せられた
錦戸さんの腕の中は
とても温かくて
優しく包み込まれた腕の中で
私はたくさんの涙を流した………