第6章 強くて弱い心
俺の言葉を
ただ黙って聞いていたあおいは
俺の胸に顔を押し付けたまま
小さく震えていて…
あおい「なんで…
なんでそんなこと言うの…?
私はずっと…章ちゃんが好きで…
だから章ちゃんがデートしてくれるって
言った時…
本当に嬉しかったんだよ…?
それなのにこんなのって
ひどすぎるよ………」
そう言って泣き崩れるあおいに
正直何て声をかければいいのか
分からなくて…
「ごめん…ほんまにごめんな………?」
そんな言葉を繰り返す俺に
あおい「そんな風に謝らないでよ…
そんなのずるいよ…一方的過ぎるよ……(笑)
好きなのに…
章ちゃんがこんなに好きなのに…」
そう言ってあおいは俺を睨むと
俺から離れ車が近付いてくる車道に
飛び出し立ち止まる…
車が近付きクラクションが鳴る中
俺は必死にあおいの手を掴み
自分の方に引き寄せた…
「何してるん……!?」
あおい「だって…
やっと近付けたと思った章ちゃんが
また私から離れてく……
私はこの気持ちを諦めるくらいなら…
未来なんかいらない…
どうしても捨てられないんだよ…
この気持ちだけは…
どうしても捨てられないから……」