第6章 強くて弱い心
「もしもし………?」
そう小さな声で言うと
耳に当てたスマホから
驚いて息をのむ音が聞こえる……
あおい「章ちゃん……
やっと電話に出てくれた………」
「うん……ごめんな……
今まで電話もメールも返せんくて…」
あおい「いいよ、そんなこと(笑)
今こうして電話に出てくれただけで十分。
あのね…章ちゃん…
今章ちゃんの家の前にいるんだけど
少しだけ…出てこられないかな…?」
「家の前に…?何で…………?」
あおい「突然迷惑だよね…ごめんなさい…
でもどうしても章ちゃんの顔が見たくて…」
「いや…誤らんでええよ…?
俺もちゃんと話したかったし……
今から行くから…待っといて……?」
電話を切ったあと…
みんなに何も言わず
あおいのところに向かった…
誰にも心配をかけたくなかったし…
何よりも…
きちんと俺の気持ちを話せば
あおいは解ってくれる
そう思ってたから……
だから……
この時の俺の行動が
この後ひどくまいを
傷つけることになるなんて
この時は少しも考えてなかったんや…