第6章 強くて弱い心
「何で………ここに…?」
扉を開いた先にいたのは
さっき家に送り届けたはずの
錦戸さんで…
亮「どうせ家に一人でおっても
もんもんとするだけやろなぁと思って
ビール土産に遊びに来た(笑)」
なんて私を見てにんまりと笑う………
「でも…………」
亮「"でも"も"帰ってください"もいらんよ?
それにビール重いからはよ中入れて(笑)?
どうせ飯もまともに食うてないと思ったから
食べるもんも買ってきたし(笑)」
そう言うと錦戸さんは
玄関に立ち尽くす私を押し退け
半ば強引に家の中に入っていく…
ソファーに腰掛け
買ってきたビールと食べ物を机に並べながら
私の飲みかけのビールを見つけて
亮「予想通り一人で飲んでたんやん…(笑)
やっぱり俺来てよかったやろ(笑)?」
なんてしてやったりな顔をして
目尻を下げて笑う笑顔に
なんだか一人で怖くて
固まっていた心が溶かされていく気がして
私はその笑顔につられるように
にっこりと笑った……