第2章 伝わらない想い

まいside

まただ……



傷付けたくない…

守りたい…


そう口では言いながら


私はまた

安田さんをひどく傷付けてしまった…



私がその場から動けずにいると

私の肩に手が触れて………


ゆっくりと顔をあげると

そこには村上さんがいた……



「いつからいたんですか………？」



村上「ごめんな……？

聞くつもりはなかったんやけど…

二人してなかなか帰ってこんから…」



「バレちゃいましたか……(笑)

すいません…全ては私の責任です………」



村上「それはちゃうやろ？

お前は必死で我慢しとったやないか？

安のこと…好きなんやろ……？

見とったらわかるわ…

そやのに安は…ほんましょーもない！」




「見てたらって…

そんなの分かるの村上さんだけですよ(笑)

すごいなぁ…ホントに……

でもね…村上さん……

私…安田さんのこと

たくさんたくさん傷付けちゃいました………」



村上「ええねん、ええねん(笑)

あいつはちょっと頭冷やさなあかん！！」

そんなことよりも…

まいのほうがよっぽど辛かったやろ…？

よう我慢したな？

えらかったなぁ………」




そう言って

私の頭をポンポンと叩く村上さんの手に



やっと止まった涙が

また溢れだしてしまう……



今日はきっと泣く日なんだ…



みんなの優しさが嬉しくて…


素直に自分の気持ちを伝えられないことが

もどかしくて悲しくて…


そんな自分をわかってくれる人がいることが嬉しくて…



今日はたくさんたくさん泣いて……


明日はその分笑顔で

みんなに恩返しをしよう…………