第2章 伝わらない想い
安田さんの家の前に着くと
すでに安田さんはマンションの前で
待っていて…
車に乗り込む安田さんに
「おはようございます………」
そう挨拶をすると
いつもと変わらない笑顔で
安「おはようまいちゃん(笑)」
なんて挨拶が返ってきて
少しほっとしたのも
つかの間……
安「亮ちゃん朝ちゃんと起きれたん?
昨日だいぶぐだぐたやったで(笑)」
亮「それは章ちゃんも一緒やろ?
お前もだいぶ酔ってたって
まいちゃんが言うてたで…なぁ(笑)?」
そんな錦戸さんの突然のふりに
「そ…そうですよ?
酔っぱらい二人の相手は
大変でしたから(笑)」
そう焦りながら答えて
ちらりとミラー越しに安田さんを見ると
鏡越しに目が合って
安「確かに少しは酔ってたけど…
自分が言うたことには責任は持てるよ?」
そう言って安田さんは
ふわりと優しく私に笑いかける………
「………………」
亮「何なん…その意味深な感じ……。
俺が寝てる間に何があったん…(笑)?
すごい気になるやんか!?」
「だから…何もありませんて(笑)!!
安田さんも…
勘違いされるような発言は控えてください?
ほらもう大倉さんの家着きますからね?」
必死に話をそらしながらも
安田さんの視線が
なんだか妙に胸を締め付けて
苦しくて仕方ない……
誰にもバレないように
そっと隠したはずの気持ちが
溢れてしまいそうになるから
お願いだからこれ以上
私の中に入り込んでこないで下さい………