第7章 【番外編】Happy Birthday (2017)
「ホットドッグとポテト。あとポップコーン。飲み物はコーラ。」
「え?」
手に札束を握らされ、青峰くんは一人スタスタとチケットの販売機へと歩いて行った。私は言われた通り、ホットドッグとポテト、ポップコーン、コーラと自分用にオレンジジュースを購入した。
チケットを購入し、戻って来た青峰くんにお金を返そうとしたが、いらないと断られた。
「ダメだよ。」
「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。」
「バイトしてる訳じゃ無いんだしダメだよ。ちゃんと半分払うよ。チケット買ってくれたんだから、食べ物は私が払う。」
「映画終わったらお前に飯奢らずからいい。」
「まあ…そういう事なら。そういえば、映画何見るの?」
青峰くんはその問いに答える事は無く、私が持っていたトレイを取り上げるとスタスタと歩いて行った。
「もう青峰くん!」
「見りゃ分かんだろ。一々聞くな。めんどくせえ。」
仮にも彼女に向かって面倒臭いとは何だ。そう思いつつも、青峰くんの後を追った。