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【黒バス】ねえ、青峰くん

第6章 【episode.0】それは二人が出会う前の話


 差ほど期待もしていなかった筈が、試合序盤から食い入るようにして試合を見ていた。試合はマイちゃん似の巨乳ちゃんのチームが徐々に相手チームを引き離し、第四クォーターでの点差は二十点以上。相手チームの選手も半ば諦めムード。たかが二十点差でみっともねえ。そんだけ点差が開いた時点で試合終了、ってかよ。だが、そんな中、一人だけ必死にボールに食らいつき、笑ってる奴がいた。その笑みはまだ勝利を諦めず、目の前の強敵に必死で食らいついていこうとする奴の顔だった。


「…んだよ、コイツ。」


 その表情を見て、思わず口角が上がった。女にしてはまあ、上手い方なのかもしれねえが、ずば抜けて才能がある訳でも、秀でた特技があるって訳でもない。強豪校の中のただの選手に過ぎない女。可愛い訳でも胸がデカい訳でもない、パッとしない女。けど、バスケに対する姿勢だけは紛れもなく本物だった。
 ソイツの頑張りも虚しく、開いた点差が逆転する事はなく、巨乳ちゃんのチームが準決勝に駒を進めた。試合が終わる頃にはすっかり巨乳ちゃんを見るのを忘れ、ソイツにばっかり目がいっていた。女バスも案外捨てたもんじゃねえな。


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