第11章 専属護衛
「では今日の講義はここまでです。ところで殿下、公務も大切ですが、無理のないようにしてください。」
「いやだな、イルウォン殿。私が無理をしているように見えますか?いつも規則正しい生活を遅れるよう、ちゃんと調整していますよ。」
いたって真剣な顔をしたイルウォンは、そうやって笑うリョンヤンを見つめている。
「リョンヤン殿下。そうやって侍従達にはごまかせておりますが、私の目は騙されません。また隈を作っていらっしゃるではありませんか。確かに今は、地方で様々な問題が起きて、陛下やあなた達は忙しいでしょう。でもあなたが体を壊してはもとも子もありません。」
イルウォンの射抜くような目から、リョンヤンは少し気まずそうに目を逸らした。
「私はあなたが、夜中にこっそり部屋を抜け出し、執務室に忍び込んで、小さな灯りをつけてお仕事なさっているのに気づいていますよ。」
リョンヤンもそこまで知られているとは思っていなかったようで、目をみはった。
「…わかりました。夜にやるのは止めておきます。」
(そういえば、リョンヤン様は体が弱いってヘウォンさんが仰っていたな…。)
幼い頃子供がなりやすいは重い病の大抵は患った事があるらしい。
また、喘息持ちなので、あまり武術もやりたくとも出来ないとか。
(私もリョンヤン様に無理をさせないよう、注意しておこう。)
悪寒のことは気になったが、リョンヤン王子への厚い忠義を持つイルウォンに、ハヨンは素直に尊敬した。