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華の剣士 王宮篇

第8章 武闘会


「あれが噂の女隊員か。」


「はい。女人と言っても男に勝る者があり、私には逸材だと思います。」


そうヘウォンが答えた相手は、燐の国の王、ヒチョル王だ。

王や軍の幹部は他の観戦者よりも高い位置から観戦しており、会場が一望できる。


城の中にある武道会館では二試合同時に行われていたが、今回の入隊式後に作られた女人用の道着を纏うハヨンの試合は、誰からでも目をひく者だった。


もしかすると、他の隊員より小柄ということもその効果が上乗せされたかもしれない。



(それにしても、彼女の型の安定感はたまげたものだ。)


大抵の若者は、型がまだ安定しておらず、その欠けた部分を力で補う節がある。


そのため無駄な体力の消耗や、怪我の危険が高まるので、先輩の隊員が入隊直後にしっかりと型をたたきこむのだ。


しかし彼女は既に他の体術を習得しており、流れるような動作で相手を倒してしまう。立場上あまり鍛練には参加していないヘウォンだったが、彼女には教えることが無いと、妬み半分、称賛半分の言葉を耳にしたことが何度かあった。


(一体どこで教わってきたのか。一度聞いてみたいものだ。)


ヘウォンがそんなことを考えている内に、ハヨンは相手を倒してしまった。


「彼女が私の家族を守ってくれるようになれば、何やら面白そうだな。それに実力も申し分ない。」


ヒチョルは珍しく目新しい者にも躊躇しない性格の王で、彼女にもどうやら悪い印象は持っていないようだ。



(私にとっては助かるのだが、古い考えを持つあのじいさんや宰相は嫌がるだろうな。)


じいさん、とはもちろんチェソンのことである。もし彼に彼女のことを認めてもらえなければ、彼女はこの城から出ていかねばならない。


(どうか無事に勝ってくれよ。)


ヘウォンは小さな背中を見ながらそう願った。





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