第6章 城での生活
「やっぱ大変だったなぁ。」
「そうだな。予想していたよりずっときついわ。」
ハヨンと他の新隊員二人とで、馬小屋を掃除をしている。
二人は顔見知りなのか、親しそうに話していて、ハヨンは少し疎外感があった。
「それにしてもお前、体力あるんだな。」
ガンハンが馬の頭を撫でながら、ハヨンの方へと顔を向ける。
ハヨンは掃除をしていた手を少し休めて振り返る。
「うーん。でもやっぱり最後の方は疲れたし、もう少し体力がつくように走り込みはしないとなぁって今日ので思った。」
どうやら二人はハヨンを同期として偏見を持たずに話してくれるようだった。
周りに自分のことを受け入れてくれる人がいるのは心強いことだ。
「走り込みって…。俺もうヘトヘトで、部屋に帰ったら絶対すぐ寝ちまう自信あんのに…。すげえなぁ。」
ドマンは信じられないものを見たかのような反応だ。
「やっぱり他の人より体力も力も劣るからね。その分鍛練して補いたいんだ。」
認めたくない事実だが、受け入れなければ今の自分より強くなることはない。
今日の訓練で、ハヨンは自分の実力を改めて思い知らされた。
いくらヘウォンの試験に合格したとはいえ、隊員はみな毎日過酷な訓練を受けている一流の兵士だまだまだ新米の自分には足りない所がたくさんある。
「それにしても俺、試験当日にお前を見てたまげた。まさか女で受験するやつがいるなんて思っていなかったからなぁ。」
「それになかなかに自分にも他人にも厳しそうなやつだなって思ったし。」
ドマンの言葉に同意するようにガンハンが頷く。
「え、私が女ってわかってたの。」
「そりゃそうだろ⁉お前の隣の二人組がただ鈍かっただけだろ!」
(今の発言は私を男と間違えたヘウォン様にも失礼だと思うな…。)
しかしヘウォンの面子を立てるべくハヨンは何も答えないでいた。