第14章 新しい仕事
「ヘウォンから聞きました。あなたも宴会に参加されるんですね。」
最近予定に公務を詰め込みすぎていたリョンヤンに、ついに宰相も耐えきれなくなったらしい。ヘウォンの公務を一切請け負うので、休息をとるようにと執務室から追い出された。
そんなこんなでハヨンとリョンヤンは珍しく、中庭に出てゆっくりとした時間を過ごしていた。
「そうですが、私はただ、護衛する身として、そして刺客を欺くためにいるだけです。ですので酒も飲みませんし、食事もほんの少ししか口にしませんよ。」
「そうなんですか。てっきり私は私の親戚があなたを気に入ったかと思っていたのですが。」
リョンヤンは自信の指先にとまる小鳥を撫でながら、穏やかに笑っている。
(普段はそんな力とか見たことなかったけど、やっぱり伝説は本当なんだよね…。)
彼の手に乗っている小鳥は、彼が呼び出して飛んできたものだ。10年前にある王子に助けられた時にも見たので、これで2度目である。しかし、やはり思い通りに獣を扱うというのは見慣れないものなので、奇妙な気分だ。
「気に入られるってそんなまさか。」
「いやいや、父上はあなたのことを大した者だとお褒めになっておられましたよ。それに、リョンヘとも仲が良いではありませんか。ですからてっきり誰かに招待されたものだと…」
「リョンヘ様と…!そんな、誤解ですよ。」
ハヨンは声が少し上ずり、なんて白々しいと自分に心のなかで舌打ちした。
「ふふっ、そんな慌てずとも。リョンヘもあなたには気を許しているようで、私はうれしいんですよ。」
リョンと二人で、友達ということは隠しておこうと決めていたが、リョンヤンにはどれ程見透かされているのか。ハヨンは冷や汗が止まらなかった。
「そういえば、女性で兵士とは珍しいとは思っていましたが、なぜ兵士を目指したのか訳を教えてはくれませんか?前前から聞きたいとは思っていたのですが、そんな機会がなくて、今さらというような感じですが。」
王族と関わりを持ちたいなら、女性の場合、女官が多いですし。とリョンヤンは先程の会話から頭の中でそちらに興味が移っていたようだった。