第14章 新しい仕事
「それで私も宴会に立ち会うことになって。食事も一緒にとるんだけど、絶対喉を通らない気がするの。」
以前のようにリョンつまりリョンヘ王子と朝に中庭でハヨンは立ち話をしている。
「ははっ。じゃあ俺の近くにあんたが座る訳か。こりゃあ女官達もおちおちしてられないな。それにしてもさすがヘウォン。やることがはちゃめちゃ過ぎて、保守派の家臣たちが眉を寄せる姿が想像できる。」
「…私としては全然笑い話じゃないんですけど。」
ハヨンが不満をあらわにした声を出すと、リョンも人が悪い笑みを浮かべる。
「そんなに重く考えるなって、これは父上に信頼されているヘウォンが考えたことなんだから、誰も表だって反対しないしあんたはその策に巻き込まれただけだ。」
「まぁ、それはそうなんですが。毎度毎度私とすれ違う度に目だけで殺しそうなぐらい険しく睨んできたり、『あらやだ、ごめんなさい』ってわざと足を踏まれるのは納得いかないんですよ!」
リョンには本音を言ってしまうので、ほとんど城での愚痴を聞いてもらってるようになるのだが、妙に丁寧な話し方になってしまう。
やはり王子相手に砕けた口調で話すのは気が引けて、無意識にそうなるのだ。
しかしリョンはそれが気にくわないらしい。
「敬語は?」
「…なしで。」
そう尋ねられて答えると、リョンは満足そうに頷く。そんなに対等に扱ってほしいのだろうか。下に見られるならともかく、ハヨンにはよくわからない。