第13章 露見
「それで俺はこれを運べばいいんだな?」
動揺していたハヨンが落ち着いた後、リョンヘは納得したらしく潰さないように気を付けながら巻物をいくつか手に取った。
「助かるよ、リョンヘ。」
ハヨンにはリョンヤンの砕けた口調も珍しかった。
「それにしても、リョンヤン様と同い年の王子がいらっしゃるのは存じていましたが、双子だとは思いませんでした。」
二人は髪型や、日焼けの具合いなどが違うので、雰囲気は全く似ていないが、よくよく見比べれば顔の部分それぞれは似ていた。
きっと双子の兄弟がいると知っていれば、ハヨンはリョンヘの正体にも気づいただろう。
「確かに、父上には二人の后がいるからね。知らない人はそう思うかも。第一王妃のリュジェ様は心の臓に病があってね。子供がいないんだ。」
「それで私達は第二王妃のサランの息子なんです。」
「あ、えっと…。すみません。」
なんだか複雑な様子が垣間見えたので、ハヨンは焦ってしまう。しかし二人はあっけらかんとしていた。
「大丈夫ですよ、父上はどちらも大切になさっていますし、母上もリュジェ様も仲はいいので。」
とさほど気にしていない様子。
(そっか、王族になったら一夫多妻が普通だもんね。)
ハヨンは納得した。
(しかしまぁ、どうしたらこんなに性格が真逆に成長したんだろう…。)
並んで歩く二人は太陽と月ぐらい似て非なる人物だが、お互いが欠かせない存在のように仲が良さそうだった。
(これでも臣下達は水面下でどちらを王にするかで争ってるんだよね…。)
二人の様子を見て、ハヨンは切なくなるのだった。