第13章 露見
どくん、とハヨンの心臓が煩い程に鳴っている。
「ハヨンはまだ会った事がありませんでしたよね。彼はリョンヘです。私の双子の弟に当たります。」
そう紹介された彼は、まぎれもなくリョンだった。
「どうして…。」
と思わず声が漏れる。なぜ今まで正体を明かさなかったのか、そして今まで怪しい行動をしてきたのか。
でもその疑問をぶつけてしまいそうになる前に、とんでもないことに気がついて、ハヨンは頭を床につける。
「リョンヘ様!今までのご無礼、お許しください。」
ハヨンは仲間と思っていた人が、あまりにも遠い存在の人だったことに衝撃を受け、頭を下げ、顔を見ないようにしなければ、何かが溢れそうだった。
「ええっと…。二人は知り合いだったのですか?」
リョンヤンは戸惑い二人に答えを求める。
「リョンヤンには後で話す。今はハヨンを優先させて。」
リョンヘが近づいて来るのがわかった。そして、彼の革靴が見えたかと思えば、どうやら彼はハヨンの前に片膝をついているようだ。
「そんなふうに頭を下げないでくれ。むしろ謝らなければならないのは俺の方だろ?傷つけたな。悪かった」
ほら、顔あげろよ。
と声をかけられて、ハヨンは恐る恐る顔をあげた。ハヨンの前に座り込んでいる彼は、いつもと変わらず優しい顔をしていたが、どこか王族の誇りと威厳を交えた顔をしていた。
(これが私の知らなかったリョンの顔…。)
ハヨンは呆然とした。