第1章 恋煩い 【SN】
Sside
今日はしやがれの収録。
いつも一番乗りの俺は、ソファーに座って新聞を広げその日のニュースをチェック。
そして、2番目に来るのはたいてい……
「おはようございます」
「おはよ、ニノ」
俺の隣に座ったニノは、いつものようにゲームを始める。
真剣な眼差しで画面を見つめるニノは子供みたいで可愛い。
新聞を読みながら、ニノを観察するのがその日の楽しみだったりもする。
「……ん」
しばらくして俺の肩にわずかな重みがかかった。
「ニノ?どうし……」
すー、すうーっと可愛らしい寝息を立て始めたニノを見て、はっと息が止まりそうになる。
白くて綺麗な肌。
無防備に開いたふっくらした唇。
触れたい。
そぉっと手を伸ばして、頭を撫でてみる。
ニノの柔らかな髪がさらさらと指を通るのが心地よい。
「ん……しょお…ちゃん」
ドキッと胸が高鳴る。
起きてるのか…?
そう思ったのも束の間、一定に聞こえるニノの寝息は変わらない。
…寝言。
寝言で俺の名前を呼ぶなんて、期待してしまう。どんな夢を見ているのだろう。
ちょっとだけ、今だけ良いだろうか。
しょおちゃん、としたったらずで甘い声を発するその小さな唇に触れても。
そっと顔を近づけようとした時、騒がしい音と共に扉が開いた。
「おっはよー🎵」
「相葉くんっ、しーっ」
そう言いながら、内心ほっとしていた。
このままだとニノに何をしていたかわからない。
威勢よく入ってきた相葉くんは隣のニノを見て、はっとした顔でそろーっと向かいのソファーに座った。
「ニノが寝てるなんて珍しいねー」
そう言って相葉くんはテーブルの上の雑誌を広げる。
ニノを起こさないようにコソコソと相葉くんと話していると、松潤も智くんもやって来て、収録の時間も近づいてきた。
「翔ちゃん、そろそろメイクだって。ニノ起こさないと」
「そーだね」
もう少しこの天使の寝顔を見ていたい。
そんな気持ちを押し込めて、ニノの肩を揺さぶった。
「……ん…あれ?翔ちゃん…?」
まだ寝ぼけた様子で、ニノは目をこする。
「俺……寝ちゃってた?」
ごめんね、と言いながらにこっと微笑む姿は本当に可愛くて。
いつかこの天使が自分のものになる日が来るのだろうか。