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【銀魂】見つめる鍋は煮え立たない

第5章 イケメンの顔よりブスの顔のほうが覚えやすい


暇で屯所を彷徨いてたら、指名手配犯のポスターがたくさん飾った廊下にでた。

ビックリして、「うわ」、と声がでる。

急ぎの用事でもないし、眺めてみると、気になる指名手配犯が二人いた。

桂小太郎と高杉晋助だ。

2人とも攘夷浪士のようで、しかも2人とも顔が物凄く整っている。

高杉晋助のほうは包帯で左目が隠してあって、痛そうとしか思えなかった。

桂小太郎は髪が長くて、少しゴツめな女の人、みたいな感じ。

こんな顔の整った指名手配犯もいるもんなんだと思い、世界は広いな、とかいう子供っぽい発想が出てきた。





数日経ったある日、不動産屋に行き、見事に貸家が見つからなかった。

どこも、私が17歳で両親もいないのにこれだけのお金を持ってるのを不審に思ってる。

何か、ヤバイ仕事でもやってるんじゃないかと思って貸すのを渋るんだ。

前の仕事はヤバかったんだろうけど今の仕事はまだマトモだ。

正式な職ではないけど。

とりあえず本屋に行って適当に本を見てまわろうと思ったら、30代くらいの男の人に声を掛けられた。

見覚えがあると思ったら、煉獄関のときに、私がお金を渡して逃がした元闘士らしい。

お金を返したいが、こんな所じゃ何なので、どこかに入ろうと、居酒屋に入った。

実は、町をうろちょろしてると、ちょくちょくこんな事があって、その人達はちゃんと返してくれてる。

そのお陰でまだ私のお金は有り余ってるって訳だ。

居酒屋に入ると、あまり人は居なく、ショートカットの女の人が1人いただけだ。

男の人は酒を頼み、私はお冷だけにする。


「あの、お金は...」

「あ?んなこたァ、まだ後でいいじゃねェか。今呑んでるんだからさァ!」


黙れ酔っ払い。

口には出さず愛想笑いを浮かべる。

この調子だと本屋には寄れないかもしれない。

思わずため息をつく。


「溜息なんかつくんじゃねェよ。こんなべっぴんさんも暗い顔してちゃ台無しだぜ?」

「は、はぁ...。」


面倒臭い。これはまずい事になったかもしれない。
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