第4章 勉強なんかクソくらえってなんか語感がいい
少し驚いた私の表情に土方さんが気づいた。
「そんな驚くことじゃねェよ。俺も他人に興味くれー示すさ。
それに、ただ、偉いなって感心しただけだ。」
「そうなんですか...。質問の答えですが、勉強ですよ。」
「なんで?」
「は?」
「だから何でだって」
ビックリした。この人はこんなに踏み込んでくる人間なのか。
私の態度に少し不機嫌になる土方さん。急いで理由を説明する。
「その勉強ってのは独学で出来るもんなんか」
「あー、出来れば先生とかいればいいんですけど、今から 寺子屋とかに通うわけにもいかないですし」
それに、通う時間も労力もない。
土方さんが少し考えるような、斜め下を向く素振りをして、なにか思いついたのか私の方を見る。
「俺が先生になってやろうか?」
「え?」
「ったく、テメーは何回も言われなきゃ分かんねーのか」
違います全部聞き取れてました。
これでも耳はいい方だ。
聞こえてて訳が分からないのだ。
「いやあの、意味も分かりますが、ちょっと混乱してるっていうかなんというか」
「先生がいるってんなら、俺が空いた時間にでも教えてやるさ。本物の先生ばりにって訳にもいかねーが、
江戸に来てそれなりのことは学んださ。テメーにも教えてやるぐらいの知識はある。」
そういう風に半ば勢いで了承し、その後、勉強を教えてもらった。
正直舐めてかかってたけど思ったより数倍分かりやすかった。
私の最初の期待値が低かったせいもあるが。
するすると頭に入ってきて、多分私今ノーベル賞とれるぐらいになってる。
土方さんに勉強教えもらうことになって腹立つ事が一つある。
沖田さんだ。
「部屋で土方さんとヤってるのは気づいてるぜ。やるならもっと堂々とやりなせェ」とかその他諸々すれ違う時に言ってくる。
沖田さんの男性器でも切り取って屯所に飾ろうかと思ったけど、触るのも嫌なのでやめた。
だから、沖田さんの靴を左右逆に置いたり、服を裏返しにしたりするだけにしてる。
沖田さんは本当に私の優しさに感謝したほうがいい。