第2章 お金より気持ちとか言うけど本当は気持ちよりお金
「にしてもこれ、結構良い刀じゃねェか。」
銀さんが私の刀を持って呟く。
「母の一族で昔から伝わってきたものらしいです。
私の育て親が預かっていたのを私が譲り受けました。」
「ちかのマミーのならそりゃあいい刀に決まってるアル!」
神楽ちゃんが眩しい程の笑顔で言う。
「ありがとう」
神楽ちゃんはたまに女の子に見えないような暴言を吐くけど、基本的に可愛くて優しい。
気になるのは、何故ここにいるかだ。
見たところ、14歳くらい?
聞こうにも聞けないので疑問だけが私の頭に溜まっていく。
「そうだ!ちかさんも今日の夕飯一緒にどうですか?」
新八くんが誘ってくる。
そういえば、新八くんもここに住んでいるのだろうか?
「今日はごめん!今日から屯所に住むことになっているから初日は早めに帰っていようと思って。
今度機会があったら遠慮なくお邪魔させて頂きます。」
「そうアルか...。楽しみにしてるネ!
もし、マヨラーやサディストに変なことされたら私に言えヨ!殺すから!」
「あ、ありがとう...?」
言っていることはともかく神楽ちゃんの笑顔は可愛い。
「じゃ、預かったぜ。」
「ありがとうございます」
最後に挨拶をして万事屋をでる。
煉獄関での戦いぶりを見るに万事屋の3人はみんなそれぞれ力として強いんだと思う。
そんな強い3人が江戸のこんなとこで何をしているんだろう。
良く見れば、何気にあの3人の間には特有の信頼関係みたいなものがある気がする。
何だか、不思議だな。
空を見ると、オレンジの夕焼けが広がっていて本当に綺麗だった。
日が暮れるまで一刻もないだろうから少し早歩きで帰ることにした。