第7章 馴れ初め
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「すげーかわいいし、ヤりてえって思うかもな」
あからさま不機嫌な光太郎。まずい。
さりげなく赤葦くんがフォローに入る。
「木兎さん聞いてました?木兎さんが好きになってから関係も切って、そっから3年も付き合ってるんですよ。木兎さんのテク、やばいんじゃないんですか?」
赤葦くんは、光太郎が上がるツボを心得てる気がする。さっきまで不機嫌だったのに、パッと明るくなった。
「ま、俺は一途だし?セックスもうまいと思うぜ?まおの顔、ちょーかわいくなるし」
「ちょ…!やめてよ!人の前でそんな話し…!」
「木兎さんは、まおさんが初めてなんですか?」
「や、俺の初めては中2ん時だったかな?」
「へえ、初耳です」
「初めて言ったもん!!!」
…やっぱり、恋人の過去の話ってもやもやする…でも気になる。それが伝わったのか光太郎が続ける。
「2個上の先輩と付き合ってて、そのまま食べられちゃった☆…でもさー、俺も初めてだったし、あっちも初めてだったから上手くできなくてさー、痛いって泣かれて、そのまま別れたんだよな」
「その後は、特別好きなやつもいなかったし、バレーに打ち込んでた時に、後輩に告られて、断ったら、思い出下さいとか言われて、ヤった」
「木兎さん、モテますもんね」
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