第22章 春眠暁を覚えず、ってなに?
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で、まおはいい匂いを纏う。
「俺休みだったら今絶対押し倒してる」
心の中で思った台詞。多分、口から出た。
まおが呆れた顔で俺を見る。
そんなこんなで2人で外に出た。
この時間に2人で出たのは久々だ。
出勤時間がバラバラだから、大体ズレて家を出る。
朝だし、気候がいい感じなのも合ってか、口元が緩む。
「あ、たんぽぽ」
まおが宝物を見つけたかの様な、かわいい声が出る。それは独り言だったみたいで、たんぽぽは触れられる事は無かったけど。
駅に着いてまおに見守られながら電車に乗る。
あー…かわいい顔してる…ホント今日休んじゃダメかな…
バカな事を考えながら、見慣れた車窓を眺める。
もう着くな。3駅なんてあっという間だな。
電車から降り、改札を抜け、職場まで歩く。
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