第17章 末っ子気質
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「ねーえ、お姉さんたち、この後暇なんでしょー?俺らといいところ行こうよ」
「だから帰るんだってば!しつこい!」
「うへー、気が強いお姉さんだね。嫌いじゃないけど、上品なこの方がモテるよ、この子みたいな」
その男はどさくさに紛れてまおに抱きついた。
俺はカッとなったけど、手は出さず、男の肩を掴みコッチを向かせる。
「ごめんお兄さん、その子、俺の連れだから離れてくんない?」
「そーゆー事。コイツ、怒らせると怖いよー?」
俺も、黒尾も割と強面(?)で良かった。
男たちはすぐどこかに逃げていった。
まおの他にかおり、雪絵もいた。
雪絵は潰れててほぼ目は開いてないけど。
「木兎ー!ありがとう助かったわ!でもさ、喧嘩してんのに出てくのはダメでしょ?まお飲みながら泣いてたんだけど!?」
「あ…まお…ごめんな…?」
まおは下を向いて必死に首を横に降った。多分、今も泣いてんだろうな…って思うと胸が苦しくなる。
「まおちゃん、コイツも別れ話されたらどうしようって泣いてたから大丈夫だよ?」
「ちょ、黒尾!言うなよ!」
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