第7章 ステラさんの過去
「不謹慎かもしれませんが、私はステラさんが羨ましいです。
私には目的みたいなものがないので、人を殺しながら自分が殺される順番を待ってます。
例え復讐のためでも、こんな私よりは立派にステラさんは生きてると思います」
そう言うと、いきなりステラさんは笑い声を上げた。
「復讐なんかやめろ、って言われることはあったけど羨ましいだなんて初めて言われた。
お前の前では俺の悩みなんて、なんてことないな」
「ありがとう」と微笑んだあと、また布団に潜っていった。
お礼を言われるようなことも、励ましたつもりもないがステラさんが満足げなので良いだろう。
私はまたソファに座り、読書を再開した。
その後、ステラさんの寝顔をしっかり拝見してから昼食へ向かった。
「あ、アオメ!悪いけどこれマスターのとこ持ってってくれるか?
ちょっと手が離せなくてなっ!!」
コックのみんながキッチンの中を走り回って忙しそうだったので、私は快く了承した。