第3章 怪しい依頼にはご用心⁉︎
1人きりになった私は鎖を外すことはできないかと挑戦してみる。
しかしそう簡単に外れないので、壁にもたれかかって座ってることしかできない。
私、これからどうなるんだ…?
そう思っていると燕尾服の男がまたやってきた。
私に近づいたと思ったら鎖を外しているではないか。
逃げるチャンスか……今だっ!
全ての鎖が外されたその瞬間、私は踏み出そうとした。
「ー逃げようとか思うなよ、ガキが」
冷淡極まりない声が聞こえたと思ったら、首筋に冷たい感触があった。
男が私の首に剣先を当てていたのである。
この男、間違いなく私より強い…。
逃げるのは諦めるとするか。
「マスターの命令だ。この紙に書いてる人のところに行け。
どうせ屋敷内部の地図は知ってんだろ?」
そう言って私に一枚の紙を渡してきた。
人の名前の隣に【食事】、【談話】、【運動】などが書かれていた。
さっぱり意味がわからない。
「ほら、さっさと歩け、行くぞ」
男は私の背中を剣の柄でツンツンしてくるので、私は歩き始めた。