第3章 怪しい依頼にはご用心⁉︎
不意に身体がビクッとして私は目を覚ました。
ここはどこだ……?
徐々に開けた視界にまず目に入ったのは
豪華なシャンデリア、高級そうな絨毯。
そしてお洒落なティーカップで紅茶を飲む燕尾服(えんびふく)の男性。
「ーん?やっと目を覚ましたか?」
私の視線に気づいたのかこちらに向かってやってくる。
何か嫌な感じがして私は逃げようと思ったが、ここで初めて手足が鎖で固定されてることに気づいた。
「暴れんなよ、んな事しても無駄だ」
そう言って私に顔を近づけて来た彼の顔は悔しいがとても整っている。
「状況分かってるか?お前は我が屋敷に侵入した挙句、マスターを殺そうとしていた。
が…俺に捕まり今に至る」
わざわざ教えられなくても分かっていたが、こいつが私を捕まえたのは知らなかった。
あの時はかなり意識が朦朧としていたので、笑っていたことしか覚えていない。
「…どうするつもりですか?殺すんですか?」
「場合によったらな?…まぁ、まずはマスターの命令でお前のことを聞き出せと言われている。命が惜しければ質問に答えろ」
彼は私から顔を離すと私の周りをぐるぐると歩きながら、質問をしてきた。
聞かれた質問は歳や出身地などどうでもいいようなことばっかりで、別に隠す必要ないから答えておいた。
「質問は以上だ。…またな」
そう言って男は部屋を出て行った。