第6章 アサシンデビュー
「アオメが仕事してるの見たかったのになぁ〜、行ったらもう終わってたから残念だよ」
「そんな見せられるほどすごい事してませんよ」
ただ、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺してるだけだ。
今だって思い出そうとしたらさっき殺した人の顔が全員浮かぶ。
私に殺される1秒前の歪んだ顔が生々しく頭の中に流れる。
私が殺さなければきっと今も生きていた人達だ。
それは分かってるし、理解もしてる。
だけど考えた時に私が抱く感情は『無』だ。
「みなさんは今どんな感情を抱いていますか?」
私がそう聞くと、みんなは答えてくれた。
「俺は…今やってきた行為に対する少しの後悔だな」
「僕は喜びかな、任務完了できたし」
「私は…嫌悪ですかね。思い出すだけで吐きそうです」
私以外は自分がやった行為に感情を持っている。
それに良い、悪いがあるけど感情を持つ事でその行為が意味のあるものになる。
なら、私は…………?
ただ殺しただけ。
私にとって殺すのは呼吸をするのと同じだ。
何も考えないし、なんの感情も生まない。
いつの間にかしていて、しかもそれを何度も繰り返す。
クレナさんは、殺す=喜び
ステラさんは、殺す=後悔
メルロさんは、殺す=嫌悪
……私は、殺す=殺す
もうこんな意味のない行為を繰り返すのは飽きた。
だから私は願う、いつか意味のある殺しができる日を。