第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
確か、私以外の生存者はいないって話してた気がする。
でももう孤児院の思い出は何1つないし、どこにあったかも分からない。
「孤児院育ちなのは俺と一緒だな。
俺はマスターに拾われたけど」
そう言ってステラさんは自分の生い立ちを話し始めた。
孤児院が嫌で逃げ出したところ、マスターに拾われたらしい。
ちなみに他の2人は家出した時にマスターに拾われたそうだ。
「マスター優しいですね〜」
なんて言ったが実際マスターのことは何も知らない。
前に感じた殺気も、なんで暗殺の仕事をしてるのかも。
他の人もあまり深くは知らないようだった。
「明日は通常業務だからな。疲れたからもう寝る。おやすみ」
しばらく雑談をしていたら、23時になったのでステラさんは部屋に戻って行った。
「僕、今日はアオメの部屋で寝ようかな〜」
「ーえっ⁉︎あの、ベッドは1つしか…しかもシングルだし」
「こうやって寝れば良いんだよ〜」
私が驚いてる間にクレナさんは私を椅子からひょいと持ち上げてベッドに投げてきた。
「クレナさん、ちょっ……」
なんて言ってるうちにクレナさんは私を抱き枕のように抱きしめて横になっていた。