第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
それからというものの、クレナさんは一層私に抱きついたりしてくる頻度が高くなった。
キッチンへ向かってる途中の今だって、
背後から抱きついてきてるので歩きづらい。
「クレナさーん、重いし歩きづらいですよ」
「いーじゃん。アオメいい匂いするもん」
何を言っても離れてくれないクレナさんに私は困り、後の2人を見る。
「ステラさん、どうしたら…」
「いつものことだろ?慣れろ」
ステラさんはそう言って自分は涼しい顔して歩いている。
なぜかメロルさんは険しい顔をしていたが、理由はよく分からない。
「アオメの心臓ドクドク言ってる。
恥ずかしいの?照れてるの?」
耳元でそう言うから、なんだか背筋がゾクゾクした。
「どっちもですっ///」
抗議しようと後ろを向くと、微笑んでいるクレナさんの顔がすぐそばにあった。
「っっ〜〜///私、先行きますっ!!」
声にならない叫びを上げて、私はキッチンへ全力疾走した。