第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
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やっぱり愛銃は最高だ。
どんな体勢からでも的を射ることは出来るし、何より手にフィットする。
先ほど来たばかりのクレナさんたちも各自、訓練を始めていた。
「変わった銃だね〜、細工が綺麗だ」
「ありがとうございます、私のお気に入りなんです!」
「アオメさんにぴったりですね」
そんな会話を交えながら、訓練に打ち込んだ。
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「そろそろ切り上げましょうか」
「そうですね、汗かいちゃいました〜」
持ってきていたタオルで汗を拭きながら自室に戻る。
部屋には自分の私物がたくさんあるので
前よりもリラックスできる空間になった。
おもむろにバイオリンを手にする。
暗殺する手段になるから、と言われ教わったこのバイオリン。
実際このバイオリンを使って間接的にだが人を殺したりもしたし、これからも使う予定。
それでもこのバイオリンの音色は好きだ。
「♪〜♪〜♪〜〜♫〜〜♪〜♪〜♫〜♪〜……………」
先ほどステラさん達に披露した曲ではなく、大好きだった曲を弾くとスペルタールが鮮明に思い出された。
今は亡き同期の顔が浮かぶ。
私がこんな風に思い出してはいけないし、私は思い出を美化してるだけだろう。