第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
今日1日は仕事の休みをもらっていたので、私は自由に屋敷を歩く。
「シェロさ〜ん!差し入れと買い出しのものです!」
両手いっぱいに抱えた食材達を私はシェロさんに渡す。
「さっきメルロから聞いた。女だったんだな。気づかなかったが……いい身体だな」
ったく、この兄弟はなんなんだよっ!
メルロさんたちと同じく体裁を加えて、
私は着替えてから訓練場へ向かった。
久しぶりに愛銃を使うなぁ〜
1番私にあったこの銃は絶対に雑魚相手になんか使わない。
これで殺してきた者たちは少なくとも私が人間だと認識した者だけだ。
真っ白なボディーにはめられた幾つかの小さな黒い玉。
そして黒玉のより上の部分には蒼い大きな玉が1つはめられている。
「ーこれはお前だ。俺が思うお前だ」
職人からそう言って渡された世界に1つだけのこの銃。
「次に使う時は誰を殺れるのかな…」
私は心を躍らせながら銃をくるくると回していた。