第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
すると金貨を3枚ほど渡してすぐに店を出る。
そんな感じでそれを何件か繰り返していると、私の家の近くになった。
「ここ曲がって少し歩けば家があります」
次は私が少し前を歩き、みんなを案内する。
路地裏はさらにヤバい奴らがたむろしていて、ジロジロと見てくる。
「おい、テメェら俺の陣地に足入れんじゃねーぞ」
たまにそんな感じで文句を言う奴もいるが、彼に目を合わせると舌打ちをして何処かへ行ってくれる。
「ーここが我が家です」
路地裏には似合わない、青々しい蔦に包まれたレンガ壁の我が家。
鍵を開けて中に入ると、代わり映えのない普通の家だ。
一通りの家具は揃っていて、なかなか暮らしやすいのでここは気に入っていた。
みんなをソファに座らせて、ティーバッグの紅茶を出す。
「荷物まとめてくるので待っててくださいね」
居間の左隣の部屋から女物の下着と眼帯だけをバッグに詰める。
それから居間に戻り、棚から幾つかの箱を取り出す。
この棚は私が持っている武器や薬がすべて入っているのだが、必要そうなのは持っていく。