第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
「あ、なるほど…こちらこそすみません。勝手に勘違いしてました」
訓練場で見た時の動きでは確かに女性らしい繊細な攻撃ではあったけど、クレナに負けないほどの力も持っていたから分からなかった。
「おい、お前は急いで着替えてこい!」
ステラがアオメさんにそう言うと、彼女は部屋に戻って行った。
「ステラはいつ知ったんですか?」
「あいつが来た当日に…」
アオメさんが女なのは別に不思議な事ではないのか…と自分の中で納得をする。
ただ胸がものすごくドキドキしてる。
まさかこの歳になって年下に一目惚れですか…
自分を自分で笑ってしまった。
「何事?叫び声聞こえたけど…」
眠い目を擦りながら、私服を着たクレナが部屋から出てきた。
「アオメさんが女性でした…」
「やっぱりかぁ〜、そんな気がしてた」
やっぱりクレナも驚いて…………
「「クレナ知ってたのか/知ってたんですか⁉︎」」
私とステラが驚くなか、クレナだけが
平然としている。
「知ってたと言うか、アオメの匂いが女の子と匂いだったから」
嗅覚が強いのは知っていたけど、まさかここまでとは…。
今日まで知らなかったのは私だけか、と少し落ち込んでしまった。