第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
「アオメさん、朝ですよ!起きてください!!」
彼がいると思われる布団の塊を優しく叩いた後、カーテンを開ける。
その間に「…ん、ふわぁぁ〜」と大きな欠伸も聞こえたので私は振り返る。
「ーーっっ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
布団から出てきたのは長い髪の、胸が膨らんでいる人だった。
「おはようござぁぁぁぁぁぁぁ!!」
私を見るなり、叫んで部屋を出て行った。
後を追いかけると、もう部屋から出ていたステラの肩を掴んでいた。
「ステラ、どういうことです?彼女は誰ですか⁉︎」
私がそう聞くと、彼女を落ち着かせたステラがなぜか私の眼の前に彼女を立たせた。
「自分で言え…」
ステラがそう言って彼女の背中を叩く。
「あ、あの黙っててすみません!
実はあれ変装で、こっちが私の本当の姿なんですっ!!!」
いきなり意味のわからないことを話した彼女の後ろでステラがため息をつく。
「要するにこいつはアオメだ。
アオメは男じゃなくて女ってこと」
私はステラとアオメさんの顔を交互に見る。
ステラは大真面目な顔でそう言ってるし、彼女の顔はよく見ると確かにアオメさんだ。