第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
部屋に6個のアラームが鳴る。
低血圧の私に朝という存在は天敵でしかない。
全てのアラームを止めてからカーテンを開け、朝日を全身に浴びる。
冷水で顔を洗い、目を覚ましてから
自分の身支度を整える。
燕尾服ではなく、長い丈の白いTシャツに紺のジーンズ、その上に黒のロングコートだ。
このままだと髪の毛が目立つので、後ろで一本にまとめて荷物を持って外に出る。
「おはようござ……いない」
挨拶をしたのはいいものの、まだ誰も出てきていなかった。
みんなの部屋の戸を叩き、催促する。
クレナとステラの部屋からは返事が聞こえてきたが、アオメさんの部屋からは聞こえてこない。
部屋に入って起こしてきた方がいいか…
幸いにも鍵が開いていたのでそのまま部屋に入る。
暗い部屋を進み、ベッドへ行くと白い布団の塊が1つあった。