第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
「アオメ、次はこっちだ」
はしゃいでいたアオメを呼び、狙撃銃を持たす。
「ルータスでNo.1の狙撃手はメルロだ。
確実なのは1.5キロメートル圏内」
「あ、ルータスっていうのはルーコイド・ターキス・カンパニーの略ね!」
メルロも自分の愛銃を持って100メートル先の的を狙う。
残念ながら室内だと1.5キロメートルも距離が取れないから仕方がない。
クヒュンッ、という風を着る音がしたあと、メルロはこちらを見てきた。
どうやら真ん中に当たったようだ。
続いてアオメが銃をくるくる回したあと、体を横に向けて構えて撃った。
その動作、1秒もかかっていない。
メルロでさえ、狙う時間は5秒ほどかかっていた。
「アオメの構えって変わってるね〜、普通は狙撃銃って両手なのに片手で撃ってる!」
そこにもびっくりだが、弾は的を射ていた。
「狙撃も接近も出来るなんて…さすがですね!」
メルロも思わず拍手をしている。
「お前はどっちも行けるな…俺と同じだ」
そう言うとアオメはくしゃっと笑って「それは光栄です」と言っていた。