第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
「今日はアオメがマスターをエスコートしろ」
突然そう言われたので少し焦ったが、昨日見たステラさんの行動とスペルタールで学んだ知識でエスコートする。
チラっとステラさんを見れば満足そうに微笑んでいたので大丈夫そうだ。
マスターが食事をし終わったので私は彼を自室まで運び、仕事を終わる。
「完璧でしたよ、アオメさん。さすがですね」
「ありがとうございます、頑張りましたっ!」
ダイニングに戻ればみんなが笑顔で迎えてくれた。
「執事の仕事はもう完璧なんじゃない⁉︎」
「クレナはいつまで経ってもできないがな」
なんて会話しながら私達は食事を取るためにキッチンの中に入る。
広いキッチンの中にいたのは3人の男性だった。
「お前がアオメか?シェロ マロニールだ。ここの料理長をしている。よろしく」
「アオメです、よろしくお願いしますっ!」
「私の弟ですよ、歳は18です」
そう言うメルロさんとシェロさんはたしかに顔がそっくりで、違うのは短髪か長髪かだ。
残りの2人とも自己紹介を済ませた後、
絶品の朝食を頂く。
「毎日、こんな食事だなんてここに雇われて良かったぁ〜!」
前まではろくに食事をしていなかったので、その美味しさが身に染みた。
その後もみんなで仕事を片付けて午前中を終えた。