第5章 この女、冷酷 冷淡 冷徹 にして最狂
「お前の裸を見て…欲情してしまった///」
首をぽりぽりと掻きながら顔を上げたステラさんの顔は真っ赤だ。
なんだか完璧でクールなステラさんの弱みを握ったようでとても嬉しい。
「これから絶対しないっていうなら許してあげます。…ついでにその壁紙の補修も」
「分かった、約束する」
素直なステラさんもなかなかいいな…
なんて思っていたら、にやけてきたので顔を引き締める。
あそこまで謝ってくれたので、私もそれについてうじうじするのはやめた。
どうせ初めてじゃなかったし…
「今日の午後からは次の犯罪の計画を全員で練るから、仕事は午前までだ」
仕事の途中でいつも通りに戻ったステラさんがそう言ってきた。
その言葉に私は返事をして仕事を素早く片付ける。
物覚えは早い方なので初めて行う仕事にも私は着々と慣れていった。
屋敷の点検が終わった頃には7時になったのでマスターの部屋へ向かう。
真っ暗な部屋の中を家具に当たらないようスマートな動きでステラさんは進む。
「マスター、おはようございます」
一声かけてから部屋のカーテンを開けると、部屋に朝日が差し込んだ。
すぐに起きたマスターの着替えを私が行ってる合間に、ステラさんは花瓶の水を入れ替えていた。
昨夜と同じようにダイニングまではステラさんの少し後ろをマスターが歩く。
更に少し後ろを私は歩く。
前から敵が来た時にと後ろから敵が来た時に対応できるように、と言っていた。