第4章 殺し屋が執事になってみました
「皆さんも殺し屋だったんですか?」
「だったっていうか今もこの屋敷にいる人はみんな殺し屋だな。アサシンって統一して呼んでるけど」
この屋敷にいるみんな…?
てことは料理人も、庭師も、マスターもという事になる。
それから裏の仕事についてみんなが教えてくれて、なんとなくは理解した。
「アオメはどこで殺しの技術養ったの?」
「スペルタールで5歳の時から暗殺訓練を受けましたよ」
「スペルタール⁉︎ 確か、暗殺訓練の質は世界最高峰で卒業出来るのは毎期たっ1人だけなんでしょ?」
私はその質問に「はい」と答える。
スペルタールでは訓練中に実弾を使用するので、気を抜けば死んでしまう。
しかも卒業するための最後のテストでは生き残りをかけた【デスゲーム】をして、勝者だけが卒業出来るのだ。
他の人は地下街など貧相地域出身で生きるために殺しの技術が備わったらしい。
「それで、毒の耐性がお強いんですね」
「はい、痛みの耐性も少々ありますよ。
あとは人の目を引くものはできた方が良いと言われてたので、その辺はだいたい出来ます」
そんな感じでお話が盛り上がっている最中に、お風呂が沸いた事を知らせる音が鳴った。
「さて、みんなで入るとするか〜」
そう言ってステラさんが立ち上がり、服を脱ごうとしている。
あ…これヤバイやつかも…。
「私は遠慮します、自室のお風呂沸かせてきたので……」
と思ったらメルロさんは平然と断って、一旦戻っていた。
「あ、着替え忘れちゃった!…取ってからまた来るの大変なんで向こうで入ってきますね!」
私は持ってきた荷物を掴んで逃げるように部屋を後にした。