第4章 殺し屋が執事になってみました
「アオメです、失礼します」
扉をノックすると、すぐに中に入れてくれた。
私と同じような部屋だったが、そのテーブルにはなにやら料理が乗っている。
それにメルロさんとクレナさんも来ていた。
「お前の歓迎会だ…新人は久しぶりだからな」
ステラさんはそう言って私にグラスを持たせてきた。
みんなで乾杯をして、私は一口飲む。
「……なんで毒入りなんですか⁉︎⁉︎」
歓迎会と聞いて嬉しくなった気持ちは一瞬で冷める私と裏腹にみんなは笑っている。
「ちなみにそれ青酸カリですよ」
そう言ってメルロさんはは美味しそうに普通の飲み物を飲んでいる。
結局、私は自分で持ってきた飲み物を新しいグラスに注いで飲むことにした。
「にしても、まさかあのアオメが来るとはなぁ〜」
「ビックリですよね!噂はよく聞いていたので有名人にあった気分です」
「これでまた被害者が増えたね〜」
3人は私を見ながら、そう言っている。
「被害者ってどういうことなんですか?」
「ステラ以外の僕たちは、みんなアオメと同じようにしてここに雇われたんだよ!」
「依頼に失敗して、変な事されて断りきれず今に至ります」
だから被害者なのか…と私は納得する。
「メルロさんに毒盛られたり、クレナさんに殺されかけたのは全て私を試していたんですか?」
「正解です、なかなかワクワクするでしょ?」
いや、普通に怖いだけですが⁉︎
と私は心の中で突っ込んでおいた。
結局、依頼も全部仕込まれてて私は掌で踊ってただけってのがなんとも悔しい。