第12章 復讐の始まり
やっと体も本調子になり元どおりになった私は喜びもあるが、ここに他の部隊が戻ってくるまで既に2週間をきっていた。
「ラリー、今日から食堂で食べていいそうだ。もちろん任務も今日からつとめることになる。大丈夫か?」
「はい、充分休ませていただきました!」
なんて会話しながら私達は食堂へ向かう。
「そういえばタナトさんも今日から復帰って言ってたな。大きい任務だったぶん、いろんな人が怪我して大変だったなぁ」
シルダさん達の方もなかなか苦戦したみたいで廊下ですれ違った人は包帯を巻いていたり、傷があった。
「今日の任務大変じゃないといいですね」
なんて話しながら私達はいつも座る席につく。
久しぶりに会った人もいたため、私達は囲まれていた。
「ーおい、ラリー」
そんな時、輪の外から1つの声が聞こえ、みんなは静まり返り声の主のほうを見る。
「おはようございます、タナトさん。どうされました?」
私が近づくと、そのまま黙って歩き始めたので私も黙ってついていく。
そうして連れてこられたのは1番前の幹部達が座る席だった。もちろんその席には父もいた。
「ラリーストラグス。体はもういいのか」
心臓が掴まれるような、そんなゾッとする声を発したのは紛れもなく父だった。
私は殺気と恐怖を感じ取られないように細心の注意を払いながら「大丈夫です」と答えた。
「ラリーストラグス。エドワードが死に、幹部の席が1つ空いた。この穴はお前が埋めろ」
待ちに待ったこの言葉、やっとこのラインに立てた。やっとこいつと接触を図れるのだ。
「これからは会長を守る仕事が増える。いざとなったら自分の命を差し出さなければならない。その覚悟があるならやれ」
タナトさんやもう1人の幹部であるメナードさんにそう言われたが、チャンスでしかない。
「もちろんです!お願いします!」
私が頭を下げると、食堂には歓声と拍手が響き渡った。
「ラリー!おめでとうっっ!やったなっ!」
シルダさんを始め、たくさんの人たちが私の昇格を祝ってくれる。
商会に入り、ここまでくるのになんだかんだで3週間程かかってしまった。
ここからは1日1日に集中して、少しでも早く仇を打たなければならない。
とにかくルータスのみんなに連絡だ。